私たちの友人の友人の話だ。

仮に彼をデーブと呼ぼう。

デーブはよく出張に行く。

このあいだも、顧客との重要な打ち合わせのための
アトランティックシティに出向いた。

仕事を終え、

帰りの飛行機まで時間があったので、

地元のバーで一杯飲むことにした。

ちょうど一杯飲み終えたとき、
魅力的な女性が近づいてきた。

「もう一杯いかが?ごちそうするわ」

ちょっと驚いたが悪い気はしない。

「いいね」と答えた。

女性はバーコーナーに行き、
飲み物を二杯持ってきた。

一杯は自分がとり、
一杯をデーブに差し出す。

デーブはお礼を言うと、
グラスに口をつけた。
記憶はそこで終わり。

いや正確には、
目を覚ますまでの記憶が
飛んでいるのだ。

目覚めたとき、
デーブはホテルの風呂の中で
氷水に浸かっていた。

頭が混乱している。
デーブは慌ててあたりを見回した。

ここはどこだ?

いったいなぜ、
こんなところにいるんだろう?

そのとき、
一枚のメモに気づいた。

「動くな。救急車を呼べ」

風呂のそばの小さなテーブルの上に、
携帯電話が置かれていた。

デーブは、かじかんだ指で不器用に
911
番をプッシュした。

交歓酒は奇妙なことに、
彼が置かれた状況を熟知しているようだった。

「いいですか、
ゆっくりと気をつけながら、
背中に手を回してみてください。

腰のあたりから
チューブが出ていませんか?」

デーブは不安に駆られながら、
腰のあたりを手探りした。

確かに、チューブが突き出ている。

交換手は言った。

「落ち着いて聞いてください。
あなたは腎臓を一つ取られたのです。
この町で暗躍する臓器刈り組織の犯行ですね。

今、救急車がそちらに向かっています。
動かずに待っていてください」


****

いかがでしたか?

この話は、

「アイデアのちから」

という本の冒頭に出てきます。

ここ15年間で最も広く流布した
都市伝説のひとつだ。

とも書かれています。

一度聞いたら忘れられない...

そんな物語ですよね。

ではなぜこの話は人の心を掴むのか?

その秘密は、この
SUCCESs
の法則
にありました


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